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総務省は、東京大学との共同研究として、「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」を実施し、その速報を公開したようです。
調査対象は、東京都立の高等学校154校の生徒15,191人。
スマートフォン・アプリの利用実態や、ネット依存傾向の関係を調べたものだそうだ。
都立高校生のスマートフォン利用率は、84.5%
女子(87.2%)が男子(81.5%)より利用率が高く、また学年が下がるほど利用している割合が高い傾向があることが見てとれる。
SNSの利用は91.0%、LINE(ライン)、Twitter(ツイッター)の利用率が高い
ソーシャルメディア(SNS)の利用率は91.0%、
女子(93.4%)の方が男子(88.7%)より利用率が高く、学年が下がるほど利用率が上がる傾向だ。
利用しているSNSは、LINEの利用率が全体で85.5%で最も高く、Twitter(66.9%)やFacebook(24.3%)がこれに続く。
LINE、Facebook、Twitterは女子が男子より利用率が高く、GREE、Mobageといったゲーム系のサービスは男子が女子より利用率が高いようだ。
Twitterに関しては、依存傾向「中」及び「高」の生徒の利用率が、「低」の生徒に比べて20ポイント程高くなっている。
ネット依存とソーシャルメディアでの交友関係
ソーシャルメディア上でやりとりする相手の人数に関する調査では、「ソーシャルメディア上だけの友だち」が全体で19.4人と最も多く、「今通っている学校の友だち」(15.0人)、「以前通っていた学校の友だち」(10.2人)と続いた。
ネット依存傾向が高いと判断された生徒の特徴としては、「ソーシャルメディア上だけの友だち」が93.1人と飛びぬけて多い点が注目される。
また、「ソーシャルメディア上で初めて知り合い、実際に会ったこともある友だち」も5.3人(全体では1.8人)と多くなる傾向にある。
「ネット依存傾向」について
この調査においては「ネット依存傾向」を「高」「中」「低」と分類されている点がユニークだ。
測定方法は、心理学者キンバリー・ヤング博士の提唱した20項目のインターネット依存尺度を参考に調整したものを用い、ヤング博士の手法に従い、点数に応じて「高」「中」「低」の判定をしているそうだ。
現在の基準で依存傾向「高」に分類された者は、ネットの活用度が高いとは言えるものの、必ずしもいわゆる「ネット依存」として医学的な治療が必要な者とは限らないと考えられる。
以上のような注意書きがあるとおり、「ネット依存傾向」が高いことのみで、治療が必要となる「ネット依存」であるわけではないとしている。
まとめ
・高校生でネット依存傾向「高」の生徒は4.6%
・スマートフォン/フィーチャーフォンでのネット利用時間は、依存傾向「高」の生徒は一日262.8分。依存傾向の高低を問わずソーシャルメディアが長く、とりわけ女子は男子の2倍
・依存傾向「高」の生徒は、「ソーシャルメディア上だけの友だち」が93.1人
・依存傾向「高」の生徒は、日常生活に影響が及んでいる割合が平均の4倍