小学校での暴力行為・いじめが増加傾向!?文部科学省の統計から見えてくるもの。

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文部科学省は、2013年度(平成25年度)「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果を公表しました。

小・中・高等学校における、暴力行為、いじめ、不登校等の諸問題に関して発生件数などの統計です。

調査結果から、小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は59,345件、小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は185,860件であったことを公表しています。

また、小・中学校における、不登校児童生徒数は119,617人。高等学校における、不登校生徒数は55,657人となっています。

小学校での暴力行為が増加傾向

小・中・高等学校における、暴力行為の発生件数は59,345件(前年度55,836 件)であり、児童生徒1千人当たりの発生件数は4.3件となっている。

暴力行為が学校内で発生した学校数は9,700校、全学校数に占める割合は26.3%でした。

  • 小学校の加害児童生徒数は10,356 人(前年度8,356 人)
  • 中学校の加害児童生徒数は39,366 人(前年度39,277 人)
  • 高等学校の加害児童生徒数は10,110 人(前年度11,659 人)

いじめの全体発生件数が減少は本当?

小・中・高・特別支援学校における、いじめの認知件数は185,860件(前年度198,109 件)であり、児童生徒1千人当たりの認知件数は13.4件としている。

いじめの認知件数の推移

全体のいじめ認知件数は減少傾向にあるものの、小学校に限っては118,805 件(前年度117,384 件)と増加傾向にあるとしています。

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いじめのありさま

いじめの態様のうち、パソコンや携帯電話等を使ったいじめは、8,787 件(前年度7,855 件)と増加。
いじめの認知件数に占める割合は4.7%(前年度4.0%)。

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小・中学校の不登校の状況

小・中学校における、不登校児童生徒数は119,617人(前年度112,689人)と増加傾向であり、不登校児童生徒の割合は1.17%(前年度1.09%)

学年別の不登校児童生徒数

不登校児童生徒数を学年別にみると、学年が上がるにつれて増加、中学生になると急激に増加している事がわかる。

在籍者数に占める割合は、小学校で0.36%(前年度0.31%)、中学校で2.69%となっている。

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不登校になったきっかけと考えられる状況

不登校になったきっかけのアンケート結果によると、小学生、中学生とも「不安など情緒的混乱」という回答が多い事がわかる。

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統計から見えること

暴力行為の統計は、被害者がいる事もあり傷害事件として処理される事も多いと思うが、示談が成立した案件についてはどれだけ統計に含まれているか不明である。

不登校の状況については実数に近い数字として示されているのではないでしょうか。

いじめ認知件数は実情を表しているのか

いじめの認知件数については、「いじめの認知件数の推移」のグラフを見てもわかる通り、一貫したデータのようには到底見ることが出来ません。

統計資料には注意書きがあり、

平成6年度及び平成18年度に調査方法等を改めている

としている。

また、

平成17年度までは発生件数、平成18年度からは認知件数

と調査方法が変更されている点に注意したい。

調査方法の変更にはいくつかの理由が考えられますが、子どものいじめを原因とした象徴的な事件が発生すると、「文科省のいじめ調査は現実と乖離している」という世論が上がり、文科省も統計の数字が低すぎるとバッシングを受けるので、調査方法を変更している。

このような内情があるのではないかと想像することは容易です。

いじめはあるものとして

子どもたちのコミュニティに目を向ければ、冷やかしや、からかい、悪口や文句が全く無いなんてことはなく、「いじめの種」は、そこらじゅうに「あるもの」という感覚の親御さんは少なくないはずです。

一方、公立の学校においても、教職員に「成果主義」に近い人事考課制度が採用されていると耳にします。
受けもちのクラスで「いじめ」が発覚した場合、マイナス評価になるのか。
その「いじめ」を解決に導けば、大幅プラス査定になるのか。
実情は解りません。

しかし、多くの民間企業では問題が発生すればチームで対処するのが常です。
一般的な公立学校ではどうなのでしょう?

「いじめ」の種を見つけた時、担任個人で対処するのではなく、チームで対処するような体制を構築出来ているのでしょうか。

毎年公表される文部科学省の統計を見て学校の在り方まで考えてしまいましたが、「数字だけにとらわれるのは危険」という代表的な例なのかもしれませんね。

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